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協働ロボット導入を検討中の方へ製造ライン効率化の秘策とその手順

執筆者の写真: イレイズグループイレイズグループ

更新日:2023年9月30日

製造業の現場で働く方なら、協働ロボットの名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。


近年、多くの企業が製造ラインの効率化や品質向上のためにロボット導入を検討しています。


しかし、「具体的に何をどうすればいいのか」という疑問を抱える方も多いと思われます。この記事では、製造ラインにロボットを導入する際のメリットと、その導入手順を詳しく解説します。




協働ロボットとは?


簡単に言うと、協働ロボットは人と協力して作業を行うロボットのことを指します。特に、人が居る環境でも安全に動作できる設計が特徴です。


協働ロボットの導入事例を一つご紹介します。


ある自動車部品製造工場では、組み立てラインの効率化を目指して協働ロボットを導入しました。



従来、人の手によって行われていた精密部品の取り付け作業を、協働ロボットが担当することに。


導入の結果、作業の精度は向上し、ヒューマンエラーも大幅に減少。さらに、従業員は重労働から解放され、より付加価値の高い作業に専念することが可能となりました。


この事例からも、協働ロボットがもたらす「人とロボットの新しい共同作業」の可能性を実感することができます。安全性と効率性を兼ね備えた協働ロボットは、様々な産業現場での導入が進められています。



導入を検討するメリット


効率化

人の手が届きにくい場所や繰り返しの作業をロボットが担当することで、生産性が向上します。


品質向上

一貫した品質を維持することができ、製品のバラツキを減少させることが期待できます。

労働力問題の緩和: 人手不足や長時間労働の問題を軽減できます。


協働ロボット導入の実例として、ある食品加工工場の事例をご紹介します。




この工場では、一つ一つの食材の選別や梱包作業を人手で行っていましたが、季節ごとの人手不足や長時間労働が深刻な問題となっていました。


そこで協働ロボットの導入を決定。選別作業はロボットが高速かつ正確に行い、従業員はより専門的な作業に集中できるようになりました。


結果、生産量は従来の1.5倍に増加し、製品の品質も均一に保たれるようになりました。さらに、従業員の過重労働も軽減され、労働環境の向上が実現しました。


この事例から、協働ロボットの導入がもたらすメリットは数多く、多岐にわたる業界での活用が期待されています。




ロボット導入の手順


現状分析

まずは現場の作業フローを詳しく把握し、どの部分にロボットを導入すれば効果的かを分析します。


具体例として、ある電子部品製造企業の協働ロボット導入プロセスを紹介します。




この企業では、細かな部品を手作業で取り付ける作業が多く、作業者の負担が大きかった。そこで、現状分析のフェーズでは、この手作業の部分を中心に詳細な調査を行いました。


時間計測を行った結果、一つの部品を取り付けるのに平均3秒かかることが分かりました。また、その間にヒューマンエラーによる不良品が発生するリスクも確認されました。


ロボットを導入することで、この作業時間を1秒に短縮できるとともに、不良品のリスクも大幅に減少する見込みが立てられました。


この現状分析の結果を元に、企業は協働ロボットの導入を決定。このように、現状分析はロボット導入の効果を具体的に予測し、最適な導入箇所を特定する上で非常に重要なステップとなります。



ニーズの明確化

何のためのロボット導入なのか、目的やゴールを明確に設定します。

適切なロボットの選定: 目的に応じて、適切なロボットを選びます。取り扱う製品の大きさや重さ、作業の精度など、多くの要因を考慮する必要があります。


具体例を挙げますと、ある医薬品製造企業の場面を考えてみましょう。




この企業は、新たに高純度の薬品を製造する新ラインを立ち上げる際、人手では難しい高精度な作業や、一定の環境下での連続作業を求められました。そこで「ニーズの明確化」の段階では、目的を「高純度薬品の安定した品質確保」と「作業者の安全性向上」に設定しました。


「適切なロボットの選定」に移る際には、この目的を元に、高精度で連続動作が可能なロボットの中から、さらにクリーンルーム等の特定の環境で動作可能なモデルを選定することとなりました。


また、取り扱う薬品の容器の大きさや重さ、充填作業の精度要求なども詳細にリストアップし、これらの要因を満たすロボットを選ぶことで、製造ラインの効率化と高品質の維持を実現しました。


この過程でのニーズの明確化と、それに基づくロボット選定の重要性が、成功の鍵となりました。



テスト導入

一部のラインや期間限定でロボットを導入し、その効果や問題点を確認します。


具体例として、自動車部品製造業のある企業を取り上げます。



この企業では、新しい協働ロボットを導入する前に、既存の生産ラインの一部に「テスト導入」を行いました。目的は、新型のドアハンドルの取り付け作業の効率化と品質向上です。


初めに、ロボットを一つの生産ラインの終盤部分に限定的に配置。このラインでは、1日1000台のドアハンドル取り付け作業が行われていました。


テスト導入の結果、取り付け時間が従来の手作業に比べて平均で20%短縮され、不良品率も2%減少しました。


しかしながら、テスト期間中にオペレータとロボットとの連携に関するいくつかの問題点も浮上。特に、ロボットがドアハンドルの位置を正確に認識しづらい場面があり、この部分の調整が必要と判断されました。


この「テスト導入」を通じて、実際の生産現場でのロボットの効果や課題を明確にし、本格導入に向けた改善点や調整項目をリストアップすることができました。



本格導入

テスト導入の結果を基に、全ラインや長期間での導入を進めます。


具体例として、電子部品製造業のA社を取り上げます。




A社は新型の協働ロボットを用いた半導体の取り付け作業の効率化を検討していました。初めに一部のラインでのテスト導入を行い、作業の高速化と品質向上の効果を確認しました。


テスト段階では、1時間あたりの生産数が15%増加し、不良率も3%減少するという結果が得られました。


これらのポジティブな結果を受けて、A社は全3ラインにこの協働ロボットを導入する決断を下しました。


本格導入後、全体の生産性が平均20%向上。さらに、導入前後の従業員のアンケートによると、作業者の負担が軽減され、仕事の満足度も上昇していることが確認されました。


このように、テスト導入の成果を基に本格的な導入を進めることで、A社は生産性の向上だけでなく、作業環境の改善も同時に実現することができました。


運用とフィードバック

導入後も定期的に運用状況をチェックし、必要に応じて調整や改善を行います。


具体例として、自動車部品の製造を手掛けるB社を紹介します。



B社は、協働ロボットを用いてドアハンドルの組み立て作業を自動化しました。導入後、最初の月間レポートで、生産性は向上しているものの、2%の製品が微細な傷を持っていることが判明しました。


B社のエンジニアチームはこの問題に対して、ロボットの動作速度や把持の方法を微調整し、フィードバックを取り入れて改善策を実施。その結果、次月の不良率は0.5%まで減少しました。


さらに、作業者から「ロボットの動きが早すぎて、次の作業の準備が追いつかない」というフィードバックが上がったため、作業フロー全体の見直しも行われました。


これにより、作業者とロボットの協働がよりスムーズになり、全体の作業効率もさらに向上しました。


このように、B社は運用中のフィードバックを大切にし、継続的な改善を通じて最大の生産効率を追求し続けました。



まとめ

協働ロボットは、製造ラインの効率化や品質向上に大きく寄与する魅力的なツールです。

具体的な事例として、A社ではニーズの明確化により最適なロボットの選定が行われ、B社ではテスト導入を通じてその効果と問題点を洗い出しました。


これらの事例を通して見ると、ロボットの真の価値を最大限に引き出すためには、適切な導入と運用が欠かせません。


運用とフィードバックの段階では、導入後の定期的なチェックや改善が不可欠です。


導入を検討している皆さんも、本記事の内容やA社、B社の具体的な事例を参考に、より効果的な製造現場の実現を目指してください。


イレイズグループでは、協働ロボットの導入から設置まで対応することが可能です。

制御盤の設計や移設など、電気工事の専門チームも在籍しているため、製造ラインの電気系統も考慮した導入支援が可能です。


当社のロボットソリューションについてはこちらのページをご覧ください。



お気軽にご相談ください。

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