金属は、私たちの日常に深く根付いていますが、それぞれの特性や用途、加工技術はどう違うのでしょうか。
本記事では鉄、銅、アルミニウムからステンレス、チタン、インコネル、ハステロイといった難削材まで、各金属の特性と主な加工方法について詳しく解説します。
鉄 (Fe)
鉄の用途
鉄は鋼の主要な成分として使用されます。鋼は、建築、輸送、家電製品、自動車、鉄道、橋梁、道路など、多岐にわたる産業分野で用いられます。
純鉄自体も電磁特性を持つため、一部の電気製品に使用されることもあります。

鉄の加工技術
鉄は冷間・熱間鍛造や圧延が行われ、鉄鋼製品の成形技術に広く使用されます。また、TIGやMIG溶接、アーク溶接など多岐にわたる溶接技術も用いられます。
銅 (Cu)
銅の用途
銅は電気伝導性が非常に良いため、電線やケーブルの材料として広く用いられます。また、合金の成分としても使用され、例えば真鍮や青銅には銅が主成分として含まれています。

銅の加工技術
銅は容易に冷間・熱間加工ができる金属で、圧延、押出し、鍛造などの方法が取られます。また、電気的特性を活かした電解精錬や電鋳も一般的です。
アルミニウム (Al)
アルミニウムの用途
アルミニウムは軽量かつ耐食性に優れており、航空機、自動車、缶、建築材料、家電製品など、多岐にわたる用途で使用されます。また、熱伝導性が高いため、冷却器や熱交換器にも利用されます。

アルミニウムの加工技術
アルミニウムは冷間・熱間加工が容易で、押出しや圧延が一般的です。また、アルミニウムの溶接も特化した技術を要しますが、TIG溶接やフリクションスティア溶接などが行われます。
亜鉛 (Zn)
亜鉛の用途
亜鉛は鋼の防錆処理、すなわち亜鉛めっきの主要な材料として知られています。また、真鍮の成分としても使用され、バッテリーや化粧品、医薬品にも用いられることがあります。

亜鉛の加工技術
亜鉛の主な加工技術は、電気鍍金や亜鉛めっきです。また、ダイキャスト法による鋳造も一般的に行われ、精密な部品の製造に利用されます。
難削材
ステンレス鋼(SUS301/SUS304/SUS316/SUS430/SUS420J2/SUS631など)
ステンレス鋼の用途
ステンレス鋼は錆びにくい特性を持っており、キッチン用品、カトラリー、建築材料、医療器具、配管、タンクなど、多岐にわたる分野で使用されています。
耐食性や清潔性が求められる場所での利用が一般的です。

ステンレス鋼の加工技術
ステンレス鋼は冷間・熱間加工が行われます。特に冷間加工での圧延や引き延びが一般的です。溶接性にも優れ、TIGやMIG溶接が行われることが多く、表面仕上げとしては、バフ研磨や鏡面仕上げ、ヘアライン仕上げなどが施されるます。
チタン (Ti)
チタンの用途
チタンは軽量で、強度が高く、耐食性に優れているため、航空機や宇宙機器、医療インプラント、眼鏡フレーム、スポーツ用具などの製造に使用されます。また、耐酸性が高いため化学工業でも利用されます。

チタンの加工技術
チタンは加工困難な金属とされ、高温での熱間加工や鍛造が行われることが多いです。
また、特殊な条件下での溶接が要求されることが多く、エンドミルやドリルなどの切削加工時には、冷却液の使用が推奨されます。
インコネル (Inconel)
インコネルの用途
インコネルは高温環境での強度と耐酸化性に優れており、ジェットエンジンやガスタービンの部品、石油精製設備、核反応炉、航空宇宙アプリケーションなどに使用されます。

インコネルの加工技術
インコネルは高い耐熱性を持つため、熱間加工が主に行われます。その際の鍛造や圧延は特に注意が必要です。また、切削加工や溶接も可能ですが、特定の条件や溶接棒を使用する必要があります。
ハステロイ (Hastelloy)
ハステロイの用途
ハステロイは強度が高く、広い温度範囲での耐食性に優れているため、化学プロセス、石油精製、海水機器、フランジ、バルブなどに使用されます。
特に強酸や塩素ガスなどの厳しい環境での利用が一般的です。

ハステロイの加工技術
ハステロイは高い耐食性を持つため、特殊な環境下での加工が行われることが多いです。
熱間・冷間加工の両方が適用されますが、加工硬化が激しいため注意が必要です。
また、適切な溶接方法や条件を選ぶことが重要です。
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